こんばんは。FP勉強ラボのゆうです。
5月からFP技能検定の試験範囲に追加される項目を解説するシリーズ第3弾は
自筆証書遺言書保管制度についてです。
遺言書とは?どんな種類のものがある?
自筆証書遺言書保管制度をまとめる前に、遺言書について整理しましょう。
遺言書には、普通方式遺言と特別方式遺言があり、FPの試験で主に問われるのは普通方式遺言です。
普通方式遺言は、遺言の形式によってさらに自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言に分かれます。
自筆・公正・秘密証書遺言は、作成方法や作成場所などが種類ごとに異なります。
作成方法の違いは、試験でよく問われるポイントなので、しっかり整理しておきましょう。
証人になれる人の条件なども問われます。
自筆証書遺言とは?
今回新たにFP試験の範囲に加わった自筆証書遺言書保管制度に出てくる、自筆証書遺言について解説します。
自筆証書遺言は名前の通り、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印する作成方法の遺言書です。
遺言する文章をパソコンやワープロなどで作成すると無効になりますが、財産目録はパソコン等での作成が可能です。
ただし、目録にも自筆での署名と押印が必要となります。
自筆証書遺言のメリットは?
自筆証書遺言のメリットは、遺言者がひとりで遺言を作成することができ、遺言の内容を変えたい場合も書き換えることができるところです。
自筆証書遺言のデメリットは?
自筆証書遺言のデメリットは、
・作成した遺言書が形式を満たしていない場合は無効になる
・遺言書の保管場所に決まりがないので、紛失や盗難にあう可能性がある
・遺言者の死亡後に、家庭裁判所の検認が必要
ほかの遺言書よりも作成のプロセスがシンプルな分、デメリットも生じます。
自筆証書遺言書保管制度とは?
自筆証書遺言書保管制度とは、自筆証書遺言書を法務局で保管できる制度です。
法務局で保管することで、紛失や盗難、利害関係者による改ざんのリスクがなくなります。
★自筆証書遺言書保管制度のメリット★
・遺言書の保管申請時に、民法の定める自筆証書遺言の形式に合っているかのチェックが受けられる。
・遺言書の原本と画像データが保管される(遺言者死亡後、原本50年間・画像データ:150年間)
・相続開始後の裁判所による検認が不要になる。
自筆証書遺言書保管制度を利用することで、自筆証書遺言のデメリットをカバーすることができますね。
試験で問われそうな自筆証書遺言書保管制度の内容
試験で問われそうな自筆証書遺言書保管制度の内容について解説します。
・遺言書の保管申請には、遺言者本人が法務局へ出向く必要がある。(代理人や郵送での申請は不可)
・遺言書保管の申請撤回は、遺言書を預けるのをやめることであり、遺言書の効力がなくなるわけではない。
・制度が開始された令和2年(2020年)7月10日以前に作成された遺言書も、所定の様式を満たしていれば、保管できる。
なお、平成31年(2019年)1月12日以前に作成された遺言書の財産目録は、自書で作成されている必要がある。
・遺言者の生前に遺言書の閲覧の請求ができるのは、その遺言書を作成した遺言者本人のみ。
・相続開始後は、相続人等が遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付が受けられる。
ほかの遺言のルールとしっかり区別して理解するようにしましょう。
自筆証書遺言書保管制度の法務省HPはこちら
まとめ
今回は、自筆証書遺言書保管制度について解説しました。
改めてまとめると
- 自筆証書遺言書保管制度を利用することで、自筆証書遺言のデメリット(紛失・盗難リスク、検認が必要)をカバーすることが出来る。
- 自筆証書遺言書保管制度の申請は遺言者本人が法務局へ行く必要がある。
- 制度開始前に作成された遺言書も形式を満たしていれば保管可能。
- 自筆証書遺言書保管制度を撤回しても、破棄しない限り遺言書の効力に影響はない。
試験勉強では、それぞれの遺言の形式の違いをしっかりと抑えるようにしましょう。
正誤問題で問われやすいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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