こんばんは!FP勉強ラボのゆうです。
FP2級の試験は、きんざいと日本FP協会で受験できます。
学科試験は、2つの団体で共通ですが、実技試験は団体ごとに違いがあるのをご存知ですか?
FP2級の実技試験は、出題内容や合格率が受験科目によって変わります。
今回は、きんざいと日本FP協会の実技試験の違いについて解説します。
FP2級の受験情報全般はこちら
FP2級実技試験の概要
まずは、FP2級実技試験の概要を解説します。
FP2級の実施機関と試験科目
FP2級の試験は、きんざい(金融財政事情研究会)と日本FP協会が実施しています。
学科試験は2つの機関で共通で、実技試験は実施機関ごとに異なります。
きんざいでは4種類の実技試験を受験できます。
きんざいは実施月で受験できる実技試験が違う
きんざいの試験は、日程によって受験できる科目が違います。
9月の試験は4科目すべて試験が行われます。
5月 | 9月 | 1月 |
個人資産相談業務 | 個人資産相談業務 | 個人資産相談業務 |
生保顧客資産相談業務 | 生保顧客資産相談業務 | 生保顧客資産相談業務 |
中小事業主資産相談業務 | 中小事業主資産相談業務 | |
損保顧客資産相談業務 |
FP2級実技試験の内容
FP2級の実技試験は、具体的な事例が提示され、その事例に対する問題が出題されます。
出題形式
FP2級実技試験の出題形式についてです。
- きんざい:大問5題で設問15問
- 日本FP協会:大問10題で設問40問
日本FP協会のほうが、問題数が多くなっています。
解答方法はどちらも記述式となっています。
合格ライン
- きんざい:50点満点中30点以上
- 日本FP協会:100点満点中60点以上
満点の数値が違いますが、どちらも6割以上の得点で合格です。
配点は非公開となっています。
きんざいの実技試験について
きんざいの実技試験は4科目から選べます。
どの科目も以下の6分野のいずれかから出題があります。
受験科目によって、出題される分野の比率は変わります。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
個人資産相談業務
個人資産相談業務は、過去3回の出題では、リスク管理以外の年金・金融資産運用・タックス・不動産・相続から主に出題されていました。
生保顧客資産相談業務
生保顧客資産相談業務は、過去3回の出題では、年金・個人向け生命保険・法人向け生命保険・タックス・相続から主に出題されていました。
不動産と金融資産運用は取り上げられていませんでした。
損保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務は、過去3回の出題では、年金・個人向け損害保険・法人向け損害保険・タックス・相続から主に出題されていました。
不動産と金融資産運用は取り上げられていませんでした。
中小事業主資産相談業務
中小事業主資産相談業務では、過去3回の出題では、社会保険・金融資産運用・法人税・不動産・事業承継から主に出題されていました。
中小事業主資産相談業務の場合、社会保険は中小企業退職金共済事業・小規模企業共済・個人向け確定拠出型年金を中心に問われていました。
他の出題も中小企業の事業主の相談として出題されています。
日本FP協会の実技試験について
日本FP協会の実技試験は、資産設計提案業務の1科目のみです。
出題される分野は、きんざいと同じ6分野です。
資産設計提案業務
資産設計提案業務の過去3回分の出題は、以下のようになっていました。
数字は大問を指します。
- FP倫理・FPに関わる法律について
- 金融
- 不動産
- リスク管理
- タックス
- 相続
- キャッシュフロー表
- 係数の問題
- 総合問題
- 総合問題
大問8の係数の問題とは、係数表を用いて数値を出す問題です。
係数の問題は、一見難しく思えますが、パターンを覚えると解きやすいです。
CFPライフの記事になりますが、こちらの記事で係数のついて取り上げています。
大問9・10の総合問題は、実施回によって出題内容が異なります。
きんざいと日本FP協会の実技試験の比較
きんざいと日本FP協会のFP2級実技試験を比較してみたいと思います。
設問について
FP2級の実技試験について、設問数はきんざいが15問、日本FP協会が40問と日本FP協会の実技試験のほうが設問数が多くなっています。
合格率について
直近3回の合格率で比較をすると、きんざいの損保顧客資産相談業務の合格率が一番高いです。
ただし、損保顧客資産相談業務は、1年に1回です。
資産設計提案業務(FP協会) | 個人資産相談業務(きんざい) | 生保顧客資産相談業務(きんざい) | 中小事業主 資産相談業務(きんざい) | 損保顧客資産相談業務(きんざい) |
52.02% | 41.36% | 40.17% | 35.92% | 60.07% |
58.61% | 39.76% | 39.20% | 62.98% | 72.92% |
59.53% | 34.09% | 31.90% | 39.8% | 68.49% |
きんざいとFP協会どちらの実技試験がよいか?
筆者が個人的におすすめするのは、日本FP協会の実技試験です。
理由は以下の通りです。
- 過去の受験データの合格率が高い
- 問題数が多いので、1問あたりの配点が低いと考えられる(減点されにくい)
- 計算問題より、選択問題が多い
きんざいの損保顧客資産相談業務が、合格率が一番高い科目ですが、受験できるのが年1回9月だけです。
損保顧客資産相談業務以外の科目で、毎回受験ができ、合格率が高いのがFP協会の資産設計提案業務になります。
FP協会の資産設計提案業務は、問題数が多いですが、選択問題が多いので、1問あたりかける時間を短くできると思います。
FP2級実技試験の対策
FP2級の実技試験対策についてです。
FP2級はFP3級に比べると、範囲が広くなり、覚えることが増えます。
効率よく勉強を進めるのがポイントです。
過去問を解いて出題傾向に慣れる
実技試験の問題は、出題傾向がパターン化しているものが多いです。
なるべく多くの過去問にあたって、様々なパターンに対応できるようになるのがベスト。
市販の問題集や通信講座を利用すると、頻出問題がわかるのでおすすめです。
解法の手順を意識して勉強する
FP2級の実技試験の問題は、解法の手順が決まっているものが多くあります。
相続税の計算や、日本FP協会の実技試験で出題される係数の問題は、計算の順番を間違うと正解にたどり着けません。
どの数値から計算するかや、どの数値をチェックするかなどの手順を演習の中でしっかり覚えましょう。
時間配分をしっかりと行う
実技試験は、計算問題や問題文を読み込む必要がある問題が出やすいです。
ひとつの問題に時間をかけすぎてしまうと、解ける問題に手が回らなくなってしまうので、模試を使って、時間配分を考えましょう。
FP2級実技試験のおすすめ教材
FP2級実技を勉強するときのおすすめ教材を紹介します。
基本的にどの教材も学科と実技の両方が勉強できるようになっています。
使用する教材が、自分が受験予定の団体の実技試験に対応しているかを確認しましょう。
みんなが欲しかった!FPの教科書シリーズ
みんなが欲しかった!FPの教科書シリーズは、資産設計提案業務(日本FP協会)・個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務(きんざい)の実技試験に対応しています。
テキストを合わせて使うと知識を補えます。
FP2級合格のトリセツシリーズ
FP2級合格のトリセツシリーズも資産設計提案業務(日本FP協会)・個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務(きんざい)の実技試験に対応しています。
合格のトリセツシリーズは、過去問厳選模試があるので、演習をたくさんしたい方におすすめです。
同じシリーズのテキストもあります。
模試を利用すれば、本番に近い演習ができますよ。
史上最強のFP2級シリーズ
史上最強のFP2級シリーズの問題集は、過去12年間の学科試験・実技試験の全問題が頻出順に掲載されています。
資産設計提案業務(日本FP協会)・個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務(きんざい)の実技試験に対応しています。
同じシリーズのテキストもあります。
2級FP技能士(学科・実技)過去問題解説集
きんざいで実施された学科・実技の試験問題が全て掲載されているので、中小事業主資産相談業務と損保顧客資産相談業務の過去問も収録されています。
出題当時の法規制・税制に対応した解説になっているのだけ、気を付けましょう。
6月ごろに前年度の過去問をまとめたものが発売されています。
通信講座スタディング
通信講座スタディングは、紙の教材を使わず、スマホ・パソコンを使って学習を進める通信講座です。
FP2級は範囲が広いですが、効率がいい勉強のカリキュラムが組まれているので、勉強計画が立てやすいですよ。
重要テーマを抽出した過去問集や、過去の問題演習をAIが分析して、苦手な問題を出題してくれるシステムもあります。
実技試験対策講座(動画)は、日本FP協会の資産設計提案業務の過去問を扱っています。
スタディングは、無料で試せる講座数が多いので、まずは無料講座を試してみるのがおすすめです。
まとめ
今回はFP2級実技試験について解説しました。
あらためて、まとめると
- FP2級実技試験は、きんざいで4種類、日本FP協会で1種類の科目を受験できる
- きんざいの実技試験を全科目受験できるのは9月のみ
- どちらの団体も合格ラインは6割
- 設問数はきんざいが15問、日本FP協会が40問と日本FP協会の実技試験のほうが設問数が多い
- 直近3回の合格率で比較をすると、きんざいの損保顧客資産相談業務と日本FP協会の資産設計提案業務の合格率が高い
- 合格率、実施回数を考えると日本FP協会の実技試験がおすすめ
- 試験対策は、通信講座や市販の問題集を使って効率よく過去問演習をする
FP3級よりも実技試験の選択肢が増えるので、自分が勉強しやすい科目を選ぶのがおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント