こんにちは!FP勉強ラボのゆうです。
社会保険について調べているとよく目にする標準報酬月額。
よく目にするけどどんなときに使うかイマイチわからない人も多いと思います。
FP技能検定では、ライフプランニングと資金計画、CFP資格審査試験では、 ライフプランニング・リタイアメントプランニングの課目で出題されます。
今回は標準報酬月額について調べてみました!
標準報酬月額とは?
健康保険料は50等級に、厚生年金保険料は32等級に区分され、等級に応じた金額が保険料として徴収される仕組みです。
等級が高いほど、徴収金額も高くなります。
標準報酬月額は7月に決定(定時決定)され、その年の9月から翌年の8月までその額が社会保険料等の計算に使われます。
4月に入社した新入社員の場合は、入社したときの給与で一度標準報酬月額が計算されます。
7月以外にも昇給などで給与の金額が変わった場合には、標準報酬月額が変更される場合があります(随時改定)。
加入している健康保険によって徴収金額が異なる
標準報酬月額の等級ごとに徴収される健康保険料の内訳は、健康保険を取り扱う保険者(○○健康保険組合など)によって異なります。
全国健康保険協会(協会けんぽ)を例に見てみると、都道府県ごとに標準報酬月額に対応する保険料が異なります。
例)報酬月額が21万円の場合→標準報酬月額は20万円で17等級になります。
介護保険第2号被保険者に該当しない場合の健康保険料は、東京都だと9,810円、北海道だと10,390円になります。
給与から引かれるのは折半額の金額です。
参照:協会けんぽHP令和4年度保険料額表
各健康保険組合のHPに保険料額表が載っていることが多いですよ
厚生年金保険料は日本年金機構のHPで確認することができます。
社会保険料以外にも標準報酬月額が関わるものがある
「標準報酬月額とは?」
の部分で「標準報酬月額とは、健康保険料や厚生年金保険料の計算に使われる金額」と書きましたが、他にも標準報酬月額を使って金額が計算されるものがあります。
社会保険料以外に標準報酬月額が金額の計算に使われる制度
- 高額療養給付金
- 傷病手当金
- 出産手当金
傷病手当金や出産手当金など給付金の金額計算にも標準報酬月額が使われています。
標準報酬月額の調べ方
標準報酬月額の仕組みがわかると、「じぶんの標準報酬月額はいくらだっけ?」と思う方も多いと思います。
ここでは、自分の標準報酬月額がいくらなのかを調べる方法をご紹介します。
自分が加入している健康保険組合などに問い合わせる
少し手間はかかりますが確実に標準報酬月額を知ることができる方法です。
健康保険証の保険者名をチェックすれば自分が加入している健康保険がわかりますよ。
ねんきん定期便を確認する
1年に1回届くねんきん定期便にも標準報酬月額と標準報酬賞与額が記載されています。
ねんきん定期便は誕生月に届くシーラー式の青色のハガキ(※)です。
※59歳、35歳、45歳の方は封書で届きます。
標準報酬月額を自分で計算してみる
おおまかな金額になりますが、給与明細が手元にあれば標準報酬月額を自分で計算することが可能です。給与明細の報酬にあたる金額を合算します。
【報酬の例】
日本年金機構HP(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html)
厚生年金保険で標準報酬月額の対象となる報酬は、基本給のほか、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金又は現物で支給されるものを指します。
なお、年4回以上支給される賞与についても標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。
年3回までの賞与は標準賞与額の計算に使われます。
ボーナスからも社会保険料は引かれます・・・
まとめ
今回は標準報酬月額について調べてみました。まとめると
- 標準報酬月額は給与(報酬)の平均額から算出される金額
- 社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は標準報酬月額に基づいて金額が計算される
- 標準報酬月額は傷病手当金、出産手当金、高額療養費制度の計算にも使われる
- ねんきん定期便でも標準報酬月額は確認可能
標準報酬月額の仕組みを知っておくと、なぜ給与からこの金額が引かれているか、この金額が給付されるかがわかるようになりますよ。
【おまけ】「4~6月は残業しないほうがいい」という話と標準報酬月額の関係
会社に勤めていると「4・5・6月に残業をすると給料が減る」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
この記事を読んでくださった方は「4・5・6月」でピンとくるかもしれません。
標準報酬月額を決めるのに使われるのが4・5・6月の給与なんです。
「標準報酬月額を自分で計算してみる」の部分で「早出残業手当」も報酬に含まれ、標準報酬月額の計算の対象になることを書きました。
残業が増える→標準報酬月額が高くなる→天引きされる社会保険料が増える→(手取りの)給与が減る
という流れで「4・5・6月に残業をすると給料が減る」となるのです。
標準報酬月額は給付の計算にも使われるので一概に金額が低ければ低いほどいいというわけではありませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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